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「設計」という漢字の意味を調べてみると、「設」は〈作る・こしらえる、前もって用意する〉などがあり、「計」では〈考える(定める)、くわだてる、経営・いとなみ〉などがあります。 一般的には建て主さんの考えや企てを形に現すことになろうかと思われます。 しかし、「計」にはもうひとつ『心をくばる』という大切な意味があるのです。 私が考えている「設計」とは〈 建て主さんの人生や生活(経営や営み)に、誠意をもって(心を配って)お手伝いをする機会をいただくこと 〉 であると思っています。 建て主さんにとって生涯で一度あるか無いかの財産ともなる大事業です。 そこには夢や希望と人生や住まい方が融合されています。その住まいづくりに携わるわけですから、本来であれば設計が始まったら一緒に生活をして、考え方や住まい方を感じ図るべきなのかもしれません。 しかしそうはいきませんので、その代わりの手段としてコミュニケーションがあり、そこから設計者は感じとらなければならないのです。加えて、お互いに言いたいことを言い合える関係を構築することが、満足のある結果をもたらしてくれるはずです。 私はダメな場合はダメはっきり言うようにしていますが(特に構造上の問題等で)、解決策は必ずありますので一緒に模索しています。まずはお会いして、会話を持つことから始まります。そこでの印象はお互いに気になるところでしょう。人と人の関係が良ければ良いものが生まれます。人生と同じです。 何事にも本音で誠意を持って接することが、信頼関係に発展するはずです。 もうひとつ大切なことは、建て主さんの大切なお金をかたちにするわけですから、きちんとしたコストバランスを考えることです。構造や見せたいところなど、かけるべきところへはかけ、そうでないところは押さえたりしてメリハリをつけることがコストを考える上で大切な要素のひとつです。 【 住宅に対する考え方 】 住まいは、安全で心地の良い環境が求められます。つまり、人も家も健康快適といった満足です。また、家庭環境が人や個人の人格形成に大切なように、住まいや住まい方が家庭環境に与える影響は大きいはずです。 最近の住宅事情を見ると、家というものを安易に考えている人が多いのに驚いています。その結果、自分達の本来のライフスタイルに合わないため精神的な満足を得られず、物理的にも湿気やカビに悩み、化学物質などによって人も家も健康が脅かされているのが現状です。 欠陥住宅問題は、直接的にはその人に原因はありませんが、家に対する安易な考えが間接的に関与していそうです。 私の目指す住まいは、まじめな住まいづくりによった住まいです。 ◆ ライフスタイルにあったプラン ◆ 周辺環境にマッチした地球環境に優しい住まい ◆ 人も家も健康に、安心して、永く住まえること 最後に、家は誰に捧げるものなのでしょう?答えは単純ですね。 【 設計監理とは】 細かく見ていけば ☆設計図書と現場との照合 ☆各部納まりの打ち合せ ☆色彩計画の打ち合せ ☆各部変更の打ち合せ ☆工事金額の管理 ☆諸官庁との協議 などがあげられます。 しかしながら、監理といっても着工から竣工まで毎日現場でチェックしているわけではありません。逆に日数的には、工事期間の1/3のも満たないかもしれません。 それでいてきちんと監理するために一番大切なことは何でしょう。 それはやはりここでも〈人と人との係わり合い 〉ではないでしょうか。 もしあなたが大工さんだったとします。そのあなたが、周りから(特に自分よりも年下の人に)「ああしろ、こうしろ」などと口うるさく言われたら、きっと良い気持ちはしないでしょう。 そこに生まれる感情は最高で±0、大抵マイナスになります。 そのような感情の中でこの人のために良いものを造ろうとか、技を見せようとかという気持ちになれるでしょうか。 それでも最終的には綺麗にできあがりますが、果たして隠れてしまっている部分は大丈夫なのでしょうか。 それを思うと不安になりませんか。デコレーションさえしてしまえば中がどうなっているのか分からなくなってしまいます。ですから住宅建築というものは、最も手抜きのできる仕事といわれる所以なのです 近くであれば、たまにお茶でも持っていってあげて、職人さんと一緒に飲みながら色々な話しでもして、コミュニケーションをとっていけば後の大きな問題を避けられることにつながります。 やはり、人と人ではないでしょうか。 この考えには反対意見もあります。それをなくす為の監理だろうと言われればそれまでです。しかし、現実問題としてそこまで監理するには費用もたくさんかかりますし、物理的に不可能なのが現状です。馴れ合いの関係と信頼関係はまったく別物です。私はいつも後者を大切に監理もしています。 あくまで私の「設計」に対する考え方やスタンスです。
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